住宅の部分的な改装工事(設計:多田正治)の際、建具のデザインを依頼された。建具は玄関からLDKへの入口にあるもので、改装部分のLDKの間仕切壁にはデザインの要素としてアクリルが使われていたので、建具にも同様にアクリルを用いることにした。
無地の白いフラッシュの引戸にアクリルを埋め込み、アクリルは両面5mmずつ飛び出させ、それがそのまま「手がかり(取手)」として機能するようになっている。アクリルは「手がかり」となる位置から建具下部までライン状に配置されており、目線を切りつつ、その先にある空間の光や気配を窺い知ることになる。
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