京都、二条城の近くにある築約120年の町家を一棟貸しのゲストハウスとして再生した。幾度かの増改築を経ているが、典型的な総二階建の京町家のつくりである。
まず、奥深い敷地の長手方向に、坪庭や離れも含めて5分割されているプランのうち2カ所を解体し、奥行への抜けと上下のつながりをつくり出した。その5つについて、古さを残す部分と新しくする部分とをそれぞれ考えた。各空間は、フスマを参照した引戸を用いることによって分割したりつながったりする。新旧のコントラスト、引戸による分割と接続によって、各部屋、土間・庭と奥に向かって5つの空間を体験することとなる。また2階では、引戸を開け放つことで、屋上庭園、吹抜とブリッジを介して3つの寝室が一直線につながる空間となっている。
先人のつくりあげた建築や空間の力強さと繊細さを補完し強調することで、古来の町家の形式を継承した古くも新しい建築ができあがった。 |