多くのお土産屋が立ち並ぶ銀閣寺の参道。そこにある、昭和の佇まいを残す木造平屋(一部2階建て)を改装して雑貨店『ボンチキョウト』として再生した。また、店内には喫茶スペース『ボンチスタンド』を併設し簡単な飲食もできるようになっている。
内部は柱梁及び階段はそのままに、奥の棟の2階部分ごとすべて解体し、構造が露出したがらんどうの中に大小様々なヴォリュームを配置して空間を再構成した。まずプランの中央には3つの台形型ヴォリュームを配置し、その表側の壁面には店のブランドイメージである水玉パターンと虎のネオン看板を設置し、人々を店内へと誘導する。また、様々なヴォリュームは既存建物の軸から少しずらし、ヴォリュームの配置とそのずれ、そして対角線上に位置する2つの庭により連続的に変化する景色を生み出している。
プランは、中央の台形型ヴォリュームを起点に8の字型に回遊性を持ち、店内を歩いているといつの間にか雑貨や喫茶スペースを行き来することになる。雑貨を選び、珈琲を飲み、ベンチに座り庭を眺めて京都を感じる。銀閣寺への観光客はボンチキョウトに立ち寄り、それぞれの楽しみ方でゆったりとした時間を過ごすだろう。 |