京都市・室町にある築80年前後の京町家を改装し、和食レストラン『AWOMB(あうーむ)』として再生。主要な構造は残して内部空間の大部分を解体し、住宅仕様から店舗仕様へとプランを大きく変更している。
新しい部分は出来るだけシンプルに仕上げた。白く無機的な大壁や天井は空間の中を大きく横断し、柱割りによって規定されていた区画は開放され、自由で柔軟な現代的な空間へと再構築されている。
一方、ファサードの大部分や、露出させた柱や梁、土壁の一部など、町屋らしさを形成する原形は、古いまま手を加えずそのまま残した。歴史ある部分は荒々しく雄健であり、そして同時に素朴で温かい印象を持っている。
これらの新古のコントラストが融合し、心地よさが充溢した飲食空間が紡ぎ出される。「母親の子宮(WOMB)のぬくもりの中に包まれていた胎児のように、リラックスした気持ちで料理を楽しむ」。そんなAWOMBのコンセプトを空間デザインとして表出させた。
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